今日の俳句を読むDH-2026-015 · 2026-09-15

蕪村の俳句と視覚的イメージ

「春の海終日のたりのたり哉」――目で見て身体で感じるリズム

画家でもあった与謝蕪村の俳句は、視覚的構成と空間感覚でしばしば注目されます。「春の海終日のたりのたり哉」では、春の海の景と「のたりのたり」の反復が、視覚と運動感覚を同時に作ります。

今日の問い

「のたりのたり」という反復は、海を説明する以上に、どんな動きを身体に感じさせるでしょうか。

今日の作品

原文
春の海終日のたりのたり哉
訳・表示
春の海 終日のたり のたり哉
作者 · 蕪村
Daily Haiku は、俳句の形式・歴史・季語・作品鑑賞・世界の俳句文化を、青少年と一般の読者にわかりやすく紹介するフェスティバルの教育・アーカイブ企画です。
与謝蕪村の「春の海終日のたりのたり哉」を読むと、まず広い春の海が目の前に開きます。しかし、この句の「のたりのたり」は辞書的な意味だけでは移しきれない、ゆっくりとうねる運動感をもっています。

効果の中心にあるのは反復です。同じ言葉を二度続けることで、波が激しく立つのではなく、ゆるやかに寄せては返す動きをリズムそのものとして感じさせます。兵庫文学館の解説も、「のたりのたり」という擬態語の反復が、春の海の限りないうねりを効果的に表すと説明しています。

蕪村が画家でもあったからといって、すべての句を単純に「絵のような詩」と呼ぶ必要はありません。ただ、視点の位置、光の方向、遠景と近景の配置が鮮明に働く作品が多いことは、鑑賞のよい入口になります。言葉が絵をコピーするのではなく、読者が頭の中で空間を組み立てるための最小限の手がかりを置くのです。

今日は意味を急いで理解するのではなく、「のたり のたり」のあいだに流れる時間を感じてみてください。俳句のイメージは静止写真だけではありません。動く場面と、その動きの速度そのものもイメージになり得ます。

キーワード

与謝蕪村 · 春の海 · 擬態語 · 反復 · 視覚的イメージ · 運動感 · 俳画

時代・背景

江戸中後期・18世紀、蕪村の俳諧と絵画活動

資料・出典

【原文・資料】
1. 兵庫県立美術館・ネットミュージアム兵庫文学館「江戸・兵庫名句館」—「春の海 終日のたりのたり哉」の原文、季語、擬態語反復の解説。
2. 同館「兵庫ゆかりの作家・蕪村」。
※ 韓国語・英語訳はフェスティバル編集チームによる教育用新訳です。

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企画・監修:金秀聲